2025年7月、「Crypto Week(クリプト・ウィーク)」が注目を集める中で終了しました。最大の成果は、米連邦議会による「GENIUS法案(Guiding and Establishing National Innovation for US Stablecoins Act)」の可決です。これは米国におけるステーブルコイン規制の初の連邦レベルでの枠組みを示した重要な転機となりました。

暗号資産業界に明るい兆し「GENIUS法案」成立も“ここからが始まり”
【ポイント1】GENIUS法案は「法的明確化」の第一歩にすぎない
- Cysic共同創業者 Leo Fan氏 は、今回の法案によって「すべての暗号資産が証券ではない」と正式に認識されたことを「画期的」と表現。
- ただし、「これはゴールではなくスタート地点にすぎない」と強調。
- ブロックチェーンのスケーラビリティ、即時検証システム、信頼できるカストディ(保管体制)が、今後の統合の鍵になると語りました。
【ポイント2】DeFiは本格的に“定着”へ
- MoreMarketsのCEO Altan Tutar氏 は、「GENIUS法案は、DeFiが定着することを示す最良の兆候」とコメント。
- 特にゴールドや石油といった実物資産のトークン化が進み、DeFiは新たな金融領域へと拡大していくと予想。
- しかし、規制の明確化はあくまで機関投資家に有利で、一般投資家には届きづらいと警鐘を鳴らしました。
【ポイント3】“市場の信用”が次の課題
- Solv Protocol CEOの Ryan Chow氏 は、「法的明確化は市場形成の前提にすぎず、“信用”こそが市場を育てる」と述べました。
- 具体的には、ビットコイン担保型のクレジット、トークン化された国債、実資産と結びついた利回り商品などが、今後求められると指摘。
【ポイント4】「規制だけでは不十分」な理由
- Symbiosis.Finance共同創業者の Will K氏 は、「規制は必要だが、それだけでは主流にはなれない」と指摘。
- 成熟したインフラ、簡単なUX、AIによる支援が揃って初めて、暗号資産が“クリプト・ネイティブ”だけでなく一般層にまで届くと述べました。
- 「誰もが使えるプロダクトを作ること」が業界全体の課題だとしています。
【まとめ】GENIUS法案で光が差すも、統合への道のりは始まったばかり
- GENIUS法案は暗号業界にとって画期的なスタートラインであり、特にステーブルコインやDeFiにとっては追い風。
- しかし、制度の整備=即普及ではないことが、複数の専門家から繰り返し強調されました。
- **「法の明確化」→「インフラ整備」→「ユーザーの信頼」→「市場の定着」**という段階的な進展が求められます。
最終的に、暗号資産が金融インフラとして本格的に統合されるかどうかは、法整備後の「本当の努力」にかかっています。今はその第一章が幕を開けたばかりです。
「Experts say ‘just a starting point’ as Crypto Week ends on a high note(専門家『ここが出発点』と語る:好調に終わったCrypto Week)」の記事の日本語まとめです。
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