イーサリアムの新潮流はここにあった。2025年7月・注目の暗号資産企業動向&まとめ
1. ReserveOne:ナスダック上場で10億ドル超調達へ
- 概要
- ReserveOneは、暗号資産業界のベテランや元米商務長官らが関与する新興クリプト企業。
- ブランクチェック企業M3-Brigade Acquisition V Corpとの合併を通じてナスダック上場、10億ドル超の資金調達を見込む。
- 2025年10〜12月期に取引完了予定。
- 事業内容と特徴
- ビットコイン、イーサリアム、ソラナなど複数の暗号資産を運用し、米国の戦略的クリプトリザーブと連動。
- 一部資産は貸出や機関向けステーキングで運用益を創出。
- 伝統金融と暗号資産の橋渡し役として、株式投資家にも訴求。
- 経営陣・出資者
- CEOはHut 8元CEOのJaime Leverton。
- 取締役会長はTether共同創業者Reeve Collins、元ブラックストーンのChinh Chu、トランプ政権のWilbur Rossなど多彩な顔ぶれ。
- Blockchain.comやKrakenなど業界大手も最大7.5億ドルを出資。
- 背景と意義
- マイケル・セイラー率いるStrategy(旧MicroStrategy)の成功モデルを踏襲し、暗号資産の「株式化」トレンドが加速。
- 伝統金融とクリプトの融合による新たな投資機会の創出。
2. イーサリアムに“ビットコイン型トレジャリー企業”モデル拡大
- トム・リー(Fundstrat)による新戦略
- FundstratのTom LeeはBitMine Immersion Technologiesの会長に就任し、イーサリアム特化型トレジャリー企業に転換すると発表。
- これまでビットコイン中心だった「トレジャリー企業モデル」がイーサリアムにも本格波及。
- イーサリアムの強み
- DeFi(分散型金融)分野で圧倒的シェア(TVLの55%)を誇り、ソラナやビットコインを大きく上回る。
- ステーブルコイン取引の約半数がイーサリアム上で行われ、全取引量の30%がステーブルコイン関連。
- 米国のデジタル資産戦略でもイーサリアムが中核に。
- 成長ドライバー
- 伝統金融とクリプトの融合(DeFi×ウォール街)が進展。
- ステーブルコインの急成長(今後数年で2兆ドル市場との予測)とイーサリアムの基盤性。
- トランプ政権や大手ファンドの投資対象として存在感増大。
- 課題とリスク
- 他チェーン(Tron等)との競争激化。
- 創業者Vitalik Buterinは「イーサリアムをウォール街のカジノ化したくない」と慎重姿勢。
- 市場の期待先行によるボラティリティや政策リスク。
3. 投資家への示唆
- イーサリアムは高成長分野(DeFi・ステーブルコイン)で圧倒的優位
- ビットコイン型トレジャリー企業モデルがETHにも拡大し、株式市場からの資金流入が期待
- ただし、競合チェーンや規制動向、コミュニティの意向など多面的なリスク管理が重要
4. まとめ
2025年夏、暗号資産業界では「クリプト×株式」モデルの拡大と、イーサリアムを軸とした新たな資金流入の動きが顕著です。伝統金融とWeb3の融合が加速する中、投資家は成長分野の見極めとリスク分散を意識した戦略が求められます。
: Reuters報道(2025年7月8日)
: The Motley Fool報道(2025年7月8日)