
米下院「暗号資産規制法案」動向まとめ──トランプ主導で事態が急展開
概要
2025年7月15日、米議会下院で審議中の主要な暗号資産関連法案(GENIUS法、CLARITY法、Anti-CBDC法)は、一度、手続き上の障害で前進が阻止され、市場に衝撃を与えました。しかしその数時間後、ホワイトハウスでのトランプ大統領と議員らの会談を経て、反対派の共和党議員が賛成へ転じ、可決への道筋が鮮明になりました。
当日の経緯
- 法案(GENIUS Actなど)は大統領の強い後押しにも関わらず、手続き投票で223対196と僅差で否決。
- 共和党議員13名が反対に回り、民主党と共に投票ブロック。
- 暗号資産業界は大きな打撃を受け、Circle株は7%超、Coinbaseは4%超、MARA Holdingsは2%超の下落。
- その後トランプ大統領はホワイトハウスで反対派議員と直接会談。全員が翌朝の規則採決で賛成に転じると宣言。
審議中の主な法案内容
法案名 | 概要・目的 |
---|---|
GENIUS法案 | ステーブルコイン(米ドル等裏付けのデジタル通貨)の規制枠組みを連邦レベルで創設 |
CLARITY法案 | デジタル資産の分類と規制機関の明確化:証券はSEC、商品はCFTCが監督 |
Anti-CBDC法案 | 連邦準備制度による中央銀行デジタル通貨(CBDC)創設を禁止 |
議会内部の対立と調整
- 一部共和党議員は「中央銀行デジタル通貨(CBDC)禁止条項」がGENIUS法案に含まれていないことや、修正提案が認められなかったことを理由に反対。
- マージョリー・テイラー・グリーン議員は「CBDC禁止をGENIUS法へ明記すべき」と主張。
- トランプ大統領は自身の大統領令やSNSで「デジタル資産は米国がリード」「全共和党議員は賛成すべき」と強く圧力。
市場への影響と今後の見通し
- 一度は市場の期待が急反落し、関連株価も下落。
- その後の大統領主導の調整で、再び採決・可決の可能性が高まる状況へ。
- GENIUS法案など通過となれば、米国の暗号資産・デジタル通貨政策が本格転換する歴史的な局面となる見通し。
まとめ
「Crypto Week」と銘打たれた今週、米議会で暗号資産規制の行方に各界の注目が集まる中、トランプ大統領の強力な調整力により、暗礁に乗り上げていた法案が再び前進する公算となっています。今後の採決と市場動向が注視されます。