8月の仮想通貨市場は波乱の幕開けとなりました。
トランプ前大統領による新たな関税政策が発表され、市場全体にリスクオフ(安全志向)のムードが広がっています。この影響を受けて、ビットコインやイーサリアムをはじめとする主要な暗号資産が下落。7月の好調な相場から一転し、投資家心理には慎重さが戻りつつあります。本記事では、仮想通貨の値動きとその背景にあるマクロ経済要因を整理し、今後の展望を探ります。
トランプ氏の新関税で仮想通貨市場が失速:8月入り早々にリスクオフムード加速
2025年8月1日、米トランプ前大統領による“報復的関税”政策が市場のリスク回避姿勢を誘発し、仮想通貨市場に影響を与えています。
📉 主な動き:仮想通貨と関連株に下落圧力
- ビットコイン(BTC):3%下落し、一時 $113,231 まで下落
- イーサリアム(ETH):6%下落
- ソラナ(SOL):5%下落
この下落により、BTCとETH合わせて約490百万ドル(約700億円)規模の強制ロスカット(ロング清算)が発生し、さらなる価格下落を招く結果に。
📉 関連株も大幅下落
銘柄名 | 下落率 | 備考 |
---|---|---|
Coinbase(COIN) | -16% | Q2決算の失望で下落加速 |
Circle | -8.4% | |
Galaxy Digital | -5.4% | |
Bitmine Immersion | -7.4% | ETH関連企業 |
MicroStrategy | -8.7% | BTC保有企業(実質ETF) |
📊 マーケット心理:リスクオフと健全な調整
今回の下落は、危機ではなく“先行き不透明感による戦略的な調整”とする見方も。
「7月の高騰の後、これは健全な一時的クールダウン。危機に対する反応ではなく、むしろ“危機がないこと”への反応だ」
— Ben Kurland(DYOR CEO)
📈 7月のパフォーマンスは好調だった
- ビットコイン:+8%上昇
- イーサリアム:+49%の大幅上昇
- イーサリアムETF:7月だけで 50億ドル以上の資金流入(累計96億ドル)
- ビットコインETF:月末に1.1億ドルの資金流出も、7月累計で約60億ドルの流入
🔍 今後の展望
- 8月は例年、取引量が減少しボラティリティが増す時期
- 新たなマクロ要因が見られない中、投資資金は安全資産へ一時的にシフト
- インフレと金利政策を巡る不透明感も影響
✅ まとめ
トランプ前大統領の新関税発表により、市場はリスク回避の動きに転じ、仮想通貨市場にも短期的な調整圧力がかかりました。
とはいえ、7月の上昇基調やETF市場の資金動向からは中長期的な機関投資家の関心が依然として強いことがうかがえます。
今後は、マクロ経済指標や米国金融政策の動向が、再び仮想通貨市場の方向性を左右するでしょう。
本記事は、記事「Crypto wobbles into August as Trump’s new tariffs trigger risk-off sentiment」のまとめ記事です。
他参考:Crypto stocks tumble alongside BTC, equities as tariff fears resurface