
「AltAlt Season(オルトオルトシーズン)」暗号資産ETFとは?SEC申請で登場した新ファンドの正体
背景:クリエイティブ化する暗号資産ETF市場
暗号資産ETFの発行申請が相次ぎ、金融機関は投資家の旺盛な需要に応えるべく次々と新商品を企画しています。その中でも、「AltAlt Season Crypto ETF」 は異色の存在。米国証券取引委員会(SEC)に提出された申請が、業界関係者すら困惑させました。
Alt vs AltAltの違い
- Alt(オルト):ビットコイン(BTC)を除外したアルトコイン投資。
- AltAlt(オルトオルト):BTCだけでなく、イーサリアム(ETH)も除外。
👉 つまり、AltAlt ETFは中堅〜小型アルトコインへの投資に特化。
Bloombergアナリスト James Seyffart 氏も「AltがBTCを除く、AltAltはBTCとETH両方を除く」と解説しています。
Tidal社の申請ファンド概要
- Quantify 2X Daily AltAlt Season Crypto ETF
- Quantify 2X Daily Alt Season Crypto ETF
- Quantify 2X Daily All Cap Crypto ETF
いずれもレバレッジ型(2倍のデイリーリターンを狙う設計)で、リスク許容度の高い投資家向け商品。
- AltAlt ETF:XRP、ソラナを中心に運用(初期設計)。
- Alt ETF:ETH+主要アルト(XRP、ソラナ)。
- All Cap ETF:BTCも含む幅広い暗号資産。
「AltAlt Season(オルトオルトシーズン)」とは何か?
- Alt Season(オルトシーズン):BTC上昇後、ETHや大型アルトがBTCを上回る局面。
- AltAlt Season:さらに資金が中堅〜小型アルトに流れ、マーケット全体が裾野拡大する局面。
👉 AltAlt ETFはこの「裾野シフト」に連動して利益を狙う仕組み。
規制と市場の動向
- 現在、SECには90以上の暗号資産関連ETFが申請中(Bloomberg調べ)。
- 2025年8月末、SECは新しいコモディティ型信託の上場基準を承認し、ETF承認への道が緩和。
- 業界では「規制環境が追い風」との見方が強まっています。
Bloombergアナリスト Eric Balchunas 氏は、
「2倍Alt Season ETFにはそこまで驚かなかったけど、2倍AltAlt Season ETFは全く別物(笑)」
とコメントし、市場の過熱感を象徴しています。
投資家への意味
- メリット:中堅〜小型アルトへの直接的かつレバレッジ付きエクスポージャーを提供。
- リスク:日次2倍レバレッジによる価格変動の増幅、伝統的ETFに比べはるかに高リスク。
- 注目点:SECが実際に承認すれば、暗号資産ETF市場の「次の実験段階」となる可能性大。
🔑 要点まとめ
- 「AltAlt Season ETF」はBTC・ETHを除き、中堅〜小型アルトに特化。
- レバレッジ2倍で短期トレード志向の投資家向け。
- SECの新基準承認により、こうした実験的ETFの通過確率は高まっている。
- 市場の裾野拡大を狙った新たな投資商品として注目に値する。