
まとめ記事:「Web3ホワイトハット、年収数百万ドル — 伝統的なサイバーセキュリティ職を凌駕」
1. 年収3000万円超えが当たり前に
Web3分野で活動するホワイトハット(善意のハッカー)は、従来のサイバーセキュリティ職の給与上限(15万~30万ドル)を大きく超える報酬を得ている。
バグバウンティプラットフォーム Immunefi のCEO、Mitchell Amador氏によると、リーダーボード上位の研究者は 年間数百万ドル を稼いでいるという。
- これまでに 1億2000万ドル超の報酬 を数千件の脆弱性レポートを通じて分配
- すでに 30名のホワイトハットがミリオネア に到達
2. 「1件で1億円超」も — クリティカルな脆弱性
Immunefiは報告された重大バグに対し、最大で資産の10%を報酬として支払う。
過去最大の支払いは、クロスチェーンブリッジ「Wormhole」の致命的な脆弱性を発見したホワイトハットへの 1,000万ドル(約15億円)。
この欠陥が悪用されていれば、数十億ドル規模の資産が消失する恐れがあった。
ただし、2022年には同じWormholeが 3億2100万ドルの流出事件 に見舞われており、セキュリティリスクの大きさを物語っている。
3. 報酬の仕組みと「100倍ハッカー」
トップ研究者の収入レンジは 100万ドル~1400万ドル。
「他の人が見落とす脆弱性を突き止める100倍のハッカー」が存在するとAmador氏は語る。
- 初期のDeFiはスマートコントラクトのバグが多かった
- 2025年は「ノーコード型攻撃」(ソーシャルエンジニアリング、鍵の流出、オペレーションセキュリティの甘さ)が増加
- それでも依然として クロスチェーンブリッジ が最も狙われる標的
4. DeFiセキュリティのリスク構造
パターンとして浮かび上がるのは、以下のようなプロジェクトが攻撃対象になりやすいこと:
- 多額の資産(TVL)を扱うが、強力なバウンティ制度を持たないプロジェクト
- 早期リリースを優先しセキュリティ体制が未整備のチーム
- 成熟した後に「油断」してしまう既存プロジェクト
こうした環境がホワイトハット需要と高額報酬を生んでいる。
5. 暗号資産ハッキングの最新状況
2025年8月、暗号資産関連のハッキング・詐欺による損失は 1億6300万ドル に達し、前月比15%増。
- 件数は16件と減少したが、2件の大規模被害が大半を占めた
- 9100万ドルのソーシャルエンジニアリング詐欺(個人投資家が被害)
- トルコ取引所Btcturkでの5000万ドル流出事件
まとめ:ホワイトハットは「新時代のセキュリティ精鋭」
Web3時代では、従来の固定給サイバーセキュリティ職を超える 成果報酬型セキュリティ市場 が拡大中。
ホワイトハットたちは数百万ドルを稼ぎつつ、DeFiやブリッジなどの巨大資産を守る最前線に立っている。
これにより「攻撃者 vs 防御者」の攻防が激化する一方、バグバウンティは Web3における不可欠なリスクマネジメント手法 となりつつある。