イーサリアム(Ethereum)が10周年を迎えた2025年、仮想通貨業界では企業による財務保有が大きく動き、ビットコインに偏重していた従来の構図が変化しつつあります。
スタンダードチャータード銀行やGalaxy Researchのレポートによれば、イーサリアムの法人保有量が急増し、暗号資産全体の企業保有額は1000億ドルを突破しました。
以下は、記事「Crypto treasuries top $100B for Ethereum’s 10th anniversary: Finance Redefined」のまとめ記事です。

イーサリアム10周年で暗号資産財務保有が1000億ドル突破:企業のETHシフトが加速
🔍 主なポイント
✅ ETHの法人保有、6月以降で全体供給の1%以上に
- 10社以上の企業が合計130万ETH(約40億ドル相当)を保有
- スタンダードチャータードは**「企業が将来的にETH供給量の10%を保有する可能性がある」**と予測
✅ ETH保有がビットコインを上回る成長速度に
- イーサリアムはステーキングでの利回り提供などにより、アクティブに価値を生み出せる点で企業に魅力
- ビットコイン初期と比べ、企業導入のスピードが加速しているとの分析
💼 企業による保有の動き
📌 ビットコイン vs イーサリアム 財務保有
- 企業全体のビットコイン保有量:79万BTC(約930億ドル)=流通量の3.98%
- イーサリアム保有量:130万ETH(約40億ドル)=流通量の1.09%
- ETF(現物型ETHファンド)も追い風:7月以降19日連続で純流入
📌 代表的な動き
- BitMine Immersion Technologies:ETH供給の5%取得を目指す計画を発表
- Phoenix Group(アブダビ):BTCとSOLを含む1億5000万ドルの戦略的財務準備金を設立
- Metaplanet(日本):2027年までに21万BTCを目指し、新たに373億円の資金調達へ
🎂 イーサリアム10周年の意義

- 2015年のローンチ以来、EthereumはDeFi(分散型金融)の中心的存在に
- 総TVL(預かり資産総額)は850億ドル以上
- ICOブーム、DeFiサマー、NFTバブルを経て、いま再び機関投資家の本格流入が注目されている
📈 今後の展望
- スタンダードチャータードは年末のETH目標価格を4000ドルに設定
- 法人保有とETFの流入が続けば、心理的節目を突破する可能性
- 「ビットコイン一強」から「マルチアセット保有」へという財務戦略の変化が本格化しつつある
📝 まとめ
Ethereumの10周年は、単なる節目ではなく、企業や金融機関にとってETHを財務資産として真剣に見直すきっかけとなりました。
これまでビットコインに集中していた企業戦略が、より機能的でリターンのあるEthereumへと多様化している今、仮想通貨の企業導入は新たなフェーズに入ったといえるでしょう。