スカラムッチ氏、ビットコイン財務戦略ブームは“いずれ消える”と予測
概要
SkyBridge Capital創業者のアンソニー・スカラムッチ氏は、上場企業によるビットコイン(BTC)など暗号資産の財務戦略(トレジャリーモデル)ブームは長続きしないとの見方を示しました。ブルームバーグのインタビューで、マイケル・セイラー氏(Strategy/旧MicroStrategy)が先導したこの動きは、一時的な流行に終わる可能性が高いと語っています。
背景
- マイケル・セイラー氏の戦略
Strategy(旧MicroStrategy)は、巨額の資金調達を活用し、企業資産としてビットコインを大量保有する“トレジャリー戦略”で脚光を浴びました。 - 追随企業の増加
近年、BitMine Immersion Technologiesなど複数の上場企業が同様の戦略を採用。著名なアドバイザーを迎え入れるなど、差別化を図る動きも活発です。
スカラムッチ氏の指摘
- 「ミドルマンに手数料を払う必要は?」
投資家が企業株を通じて間接的にビットコインを保有するよりも、「自分で直接ビットコインを買った方が合理的」と指摘。 - 企業株のプレミアム問題
企業株にはビットコイン現物以上のプレミアムがつく場合が多く、投資家にとって“見えないコスト”が発生する点に注意喚起。 - Strategyは例外的存在
Strategyは多様な商品展開で独自性を持つが、他社の単純なトレジャリーモデルは長期的には支持されにくいとの見方。
市場の反応と今後
- ETFや分散型投資商品の台頭
ウォール街では暗号資産ETFや多様な投資商品が続々登場し、企業株を通じて間接保有するメリットが薄れつつあります。 - 批判も根強い
空売り投資家ジム・チャノス氏は「企業株でビットコインを買うのはナンセンス」と批判。セイラー氏は自社株のプレミアムを正当化していますが、投資家の間では議論が続いています。
まとめ
- ビットコイン財務戦略ブームは一過性の可能性
直接ビットコインを買う方が合理的という認識が広まれば、企業によるトレジャリーモデルは縮小する可能性が高い。 - 投資家は“隠れコスト”に注意
企業株のプレミアムや手数料など、間接保有のコストをしっかり見極めることが重要です。