
米上院民主党、暗号資産市場構造法案で「超党派の共同執筆プロセス」を要求
背景:共和党主導の「Clarity Act」
現在、暗号資産市場の包括的規制枠組みを定める 「Clarity Act」 が下院を通過し、上院での審議に移っています。共和党が中心となって起草を進めるなか、民主党議員は「コメントを加えるだけの立場ではなく、共同執筆者として関与すべき」と主張を強めています。
民主党の動き
- 12名の上院民主党議員 が声明を発表。
- 署名議員には キルステン・ギリブランド(NY)、コーリー・ブッカー(NJ)、ルーベン・ガレゴ(AZ)、マーク・ワーナー(VA) らが参加。
- 7本柱の規制フレームワーク を提示済みで、共和党案との統合を模索。
- 要求の要点:
- 真の共同執筆プロセス(bipartisan authorship process)
- 農業委員会(CFTC監督)の関与強化
- 規制当局(SECとCFTC)の権限分担明確化
- 議員本人・家族の暗号プロジェクト関与禁止
👉 特に「トランプ大統領が在任中に暗号資産事業で資産を大幅に増やした」との批判を踏まえ、政治家による暗号事業関与禁止は強いメッセージとなっています。
共和党の対応と法案の中身
- 共和党側は「10月20日までの意見反映」に前向きな姿勢を示すも、正式な日程は未確定。
- 共和党案のポイント:
- SECとCFTCによる共同委員会を設置し「規制調和」の提言を行う。
- SECとCFTCのデジタル資産へのアプローチの違いを埋める狙い。
両党の主張の違い
- 共和党案:SEC・CFTCの合同委員会を設置 → 柔軟な枠組み調整を重視。
- 民主党案:CFTCにスポット市場での新権限を付与し、トークンが証券とみなされるかどうかのプロセスを明確化。
👉 民主党は「監督強化」と「利益相反の禁止」を強調、共和党は「規制調和」と「迅速な推進」を重視。
今後の展望
- 10月20日以降、上院銀行委員会のスケジュール次第で議論が本格化。
- 超党派合意の成否は、
- SECとCFTCの権限調整
- 政治家の暗号資産関与禁止条項
が争点となる見込み。
- 規制強化は市場に一時的な警戒を与える可能性がある一方、長期的には制度的な明確性が投資家の信頼を高める要因になると見られます。
🔑 要点まとめ
- 上院民主党12名が「超党派共同執筆プロセス」を要求。
- 共和党はClarity Actを推進、SEC・CFTC合同委員会設置を盛り込む。
- 民主党はCFTC強化・議員家族の暗号関与禁止・規制当局予算増を主張。
- 10月以降の審議で、規制の方向性と政治的利害が交錯する展開へ。