まとめ:暗号資産クラッシュは避けられない――「着地は悲惨になる」
FT(フィナンシャル・タイムズ)コラムニストの Jemima Kelly は、
今回のビットコイン急落を 「単なる調整ではなく、終わりの始まり」 と位置づけています。
彼女の主張は一貫していて、要点はかなり辛辣です。
① 比喩:落下中の男とビットコイン
記事は、1995年のフランス映画
La Haine
の有名なセリフから始まります。
「50階建てのビルから落ちている男が、
各階を通過するたびに
“今のところは大丈夫だ(jusqu’ici tout va bien)”
と自分に言い聞かせる」
重要なのは“落ち方”ではなく“着地”。
ビットコインも同じで、これまで何度も助かってきただけだ、という導入です。
② 「何度も復活した」という記憶が危険
- ビットコインは過去に
- 数十回の大暴落
- 数百社の暗号資産企業破綻
- 多数の個人資産消失
を経験
- それでも毎回「反発」してきたため、
- 耐えられた人ほど信仰が強化
- 耐えられなかった人は市場から消える
👉 結果、生存者バイアスが信仰を支えてきた。
③ 今回の暴落は質が違う
- 2025年10月の史上最高値
約12.7万ドル → 約6万ドル近辺まで急落 - 2022年以来最大の下落
- たった24時間で
約12.5億ドル分のポジションが強制清算
著者はここでこう指摘します:
「今回は“いつもの反発”を信じる声に、
明らかな“必死さ(cope)”が見える」
④ 信仰者たちの言葉が逆に痛々しい
🧠 バラジ・スリニヴァサン
Balaji Srinivasan
「短期価格はどうでもいい。
ルールベースの秩序は崩壊し、コード秩序が台頭している」
→ 著者の反応:
「そりゃ、そう言うよね」
🧮 マイケル・セイラー
Michael Saylor
- 会社「Strategy」をほぼ全ベットでBTCに変えた人物
- 保有量:約71万BTC(全供給量の3.4%)
- 2025年Q4だけで 124億ドルの損失
「誕生日プレゼントに、
自分じゃなく“あなた自身のために”ビットコインを買って」
→ 著者の皮肉:
「かわいそうな誕生日の億万長者」
⑤ 「ビットコイン大統領」でも救えなかった
米国には史上もっとも暗号資産寄りの大統領がいる:
- Donald Trump
- 実施したこと:
- 戦略的ビットコイン準備金
- 暗号資産犯罪者の恩赦
- 401(k)年金への暗号資産組み入れ容認
- 「反暗号政策は終わった」と宣言
それでも──
売り圧は止まらなかった
著者の問いは鋭いです:
「この環境でダメなら、
いつ“うまくいく”というのか?」
⑥ 本質的な問題:「床(フロア)がない」
- ビットコインの価値は
“他人が信じているという信念”だけ - 実体価値・キャッシュフロー・利用義務がない
- つまり:
- 下落の“底”が存在しない
今週見えたのは、
“より高値で買ってくれる愚か者(greater fools)”
が枯れ始めている現実
⑦ 結論:終わりの日付は分からない、でも…
著者はこう締めます:
- 明日終わるとは言わない
- もう一度、二度、反発する可能性もある
- しかし、
100年後も存在しているか?
その問いに、合理的に「YES」と言えるか?
そして最後に、冒頭の言葉を反復します。
「今のところは大丈夫。
今のところは大丈夫。
今のところは……」
一言で要約すると
ビットコインは“落ちている最中”で、
問題は落下ではなく、
もう“地面が見え始めている”ことだ











