以下は、「Crypto M&A hits record $8.6 billion in 2025 as Trump’s regulatory stance spurs deals」(CoinDesk / 2025年12月24日)の要点整理+日本語まとめです。

2025年の暗号資産業界は、規制明確化を追い風に「M&A元年」となった。
M&A総額は過去最高の86億ドルに達し、取引所・デリバティブ・決済・ブローカーを中心に、“ライセンスを買う”戦略的買収が一気に進んだ。
2025年、暗号資産M&Aが過去最高の86億ドルに|規制転換とライセンス争奪戦の実態
数字で見る2025年のCrypto M&A
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| M&A総額 | 86億ドル(前年比 約4倍) |
| 前年(2024) | 21.7億ドル |
| 取引件数 | 267件(前年比 +18%) |
| IPO・上場関連調達 | 11社で 146億ドル |
2025年 最大のM&Aディール
- Coinbase → Deribit
- 29億ドル
- 暗号資産デリバティブ史上最大の買収
- Kraken → NinjaTrader
- 15億ドル
- 先物・個人トレーダー基盤の獲得
- Ripple → Hidden Road
- 12.5億ドル
- プライムブローカレッジ・機関投資家向け決済強化
👉 取引所 × デリバティブ × 機関投資家インフラ がM&Aの中心
なぜM&Aが急増したのか?
① 米国の規制スタンス転換(トランプ政権)
- トランプ政権が暗号資産を成長産業として公認
- GENIUS Act により
- ステーブルコインの連邦枠組み確立
- トークン化資産の機関決済が可能に
➡ 「グレーゾーン」から「制度産業」へ
② ライセンス争奪戦が本質
法務・規制専門家によると、M&Aの本当の狙いは👇
- 時間を買う
- ライセンスを買う
- コンプライアンスを内製化する
背景
- 各国で規制が同時進行:
- ステーブルコイン規制
- EUの MiCA フレームワーク
- 新規参入よりも
👉 「既に認可された企業を買った方が速い」
今回のM&Aブームが示す業界フェーズの変化
旧フェーズ(〜2022)
- スタートアップ乱立
- 技術先行・規制軽視
- 小規模資金調達中心
新フェーズ(2025〜)
- 既存金融 × 暗号資産の融合
- 規制・ライセンス・清算機能が主戦場
- M&AとIPOが成長エンジン
投資・事業視点での重要ポイント(日本向け)
✔ 価格より「構造」を見る局面
- 価格低迷でも
企業価値・インフラ価値は上昇
✔ 次に狙われやすい領域
- デリバティブ
- 清算・決済
- トークン化基盤
- 規制対応SaaS
✔ 日本・アジアへの示唆
- 将来、日本・SG・HKでも
「ライセンス付き企業の買収」が加速する可能性 - Web3スタートアップの出口戦略は
👉 IPOよりM&A比重が高まる
まとめ(ひとことで)
2025年のCrypto M&Aは、
「価格が下がる中で、産業としては一段上に進んだ」ことを示している。
- 規制明確化
- 機関投資家参入
- トークン化インフラ整備
これらを背景に、
暗号資産は“実験市場”から“買収される金融インフラ”へ移行した年だった。











