以下は、「Crypto Won In 2025—But Bitcoin Fell. Can They Rise to the Occasion?」
(Crystal Kim / Investopedia, 2025年12月24日)の要点整理+日本語まとめです。

2025年の暗号資産市場は「制度・インフラ面では大勝利」だが、「価格面では成果が残らなかった一年」。
ビットコインは史上最高値を更新したものの年末に失速。一方で機関投資家・規制・トークン化という長期的追い風は強まり、2026年以降に“回収フェーズ”が来る可能性が示唆されている。
👉2025年の暗号資産は「勝利」か失速か?ビットコイン急落と2026年回復シナリオ
2025年のビットコインを象徴する動き
- ビットコイン価格は一時12万6,000ドル超という史上最高値を記録
- しかしその後急落し、2025年通年では下落基調で終了見込み
- 「勝ったのに、結果が残っていない」年として総括されている
投資家心理の二極化が鮮明に
🔻 個人投資家(リテール)
- 短期視点が強く、相場低迷を受けて極度に弱気
- 「先が暗い」と判断し、売却が先行
🔺 機関投資家
- 一貫して強気(unremittingly bullish)
- Bitwise Asset Management CIO Matt Hougan「リテールは数週間先しか見ていないが、機関投資家は数年先を見ている」
なぜ機関投資家は強気なのか?
1️⃣ ETFによる構造的な需給ひっ迫
- 2024年開始のBTC ETFは
約70万BTCを購入(新規発行量の約2倍) - → 供給<需要 の状態が継続
2️⃣ 金利低下期待
- 利下げ局面はリスク資産(株・暗号資産)に追い風
- 2026年に向けて資金回帰の可能性
3️⃣ 大手機関の参入
- Morgan Stanley
- Merrill Lynch
→ 顧客向けに暗号資産ETFを提供 - ハーバード大学・ブラウン大学などの基金も参入
「通貨価値の希薄化(デベースメント)」ヘッジとしてのBTC
- 政府債務の膨張・ドル安懸念を背景に
ビットコイン=価値保存手段として再評価される可能性 - Amberdata の Greg Magadini「デベースメント対策として、BTCは理にかなっている」
強気な長期予測(ただし短期は不透明)
- Standard Chartered
→ 2030年:BTC 50万ドル - Galaxy Digital
→ 2027年:25万ドル - ただし2026年については
「あまりに混沌として予測困難」
規制面:CLARITY Act が最大の分岐点
- CLARITY Act(市場構造法案)
- 暗号資産の監督権限を
SEC → CFTC に明確化
- 暗号資産の監督権限を
- 業界にとっては最重要法案
- 未成立の場合、将来の政権で逆風になるリスク
トークン化(Tokenization)が次の本命テーマ
注目ポイント
- ステーブルコイン
- 株式・債券など実物資産のトークン化
- 数兆ドル規模の市場機会
主なプレイヤー
- Circle
- USDC供給量:前年比+50%以上
- Coinbase Global
- BlackRock
- トークン化を戦略的重点分野に設定
ブラックロックCEO ラリー・フィンク
「すべての資産がトークン化される時代の始まりだ」
まとめ(日本向け視点)
- 2025年=仕込みの年
- 2026年以降=回収の年になる可能性
- 重要キーワードは以下の3つ:
🔑 今後の暗号資産市場を左右する軸
- 機関投資家マネー
- 規制の明確化(CLARITY Act)
- トークン化による金融インフラ再構築
価格だけを見ると失望の年だが、
構造を見ると「次の10年の土台」が完成しつつある年だった、
というのがこの記事の本質です。











