2025年8月現在、中国本土での仮想通貨規制はかつてないほど厳格化されていますが、一方で香港では「人民元ステーブルコイン」を中心とした革新的な動きが注目を集めています。
以下は、記事「China Bans Crypto? Get Ready for a Big Shift with Chinese Yuan Stablecoin」の日本語まとめ記事です。

「中国の仮想通貨禁止」の裏で進む静かな革命──人民元ステーブルコインの可能性
✅ 中国の仮想通貨禁止の歴史と現状
「中国が仮想通貨を禁止」というニュースは、これまでもビットコイン市場を大きく揺るがしてきました。その主な流れは以下の通りです:
- 2013年: 銀行によるビットコイン取引の処理を禁止。価格は$1,150から$500へ急落。
- 2017年: 国内取引所とICO(新規コイン公開)を全面禁止。
- 2021年: 海外取引所の利用を含め、すべての仮想通貨関連活動を非合法に。
- 2025年6月: 個人による保有も刑事罰の対象に。現在は、取引・マイニング・所有まで全面的に規制。
📉 なぜ中国は仮想通貨を禁止するのか?
中国当局が繰り返し仮想通貨を禁止する背景には、次の4つの理由があります:
- 金融安定性の確保: ビットコインなどの価格変動が激しく、バブル崩壊のリスクが高い。
- 資本流出の懸念: オフショア人民元(CNH)の流通量が少なく、仮想通貨経由の資金流出を警戒。
- 通貨主権の維持: 中国人民銀行による金融政策の統制を保つ必要がある。
- マネーロンダリング対策: 規制のない仮想通貨市場では違法取引や税逃れの温床になりやすい。
💡 香港で進む人民元ステーブルコイン構想
一方で香港では、**人民元に連動したステーブルコイン(特にオフショア人民元CNH)**の導入に向けた準備が進んでいます。
🔹 2025年5月:香港「ステーブルコイン条例案」可決
- **HKMA(香港金融管理局)**が発行・運営のガイドラインを制定。
- 1:1の資産裏付け、AML(マネロン対策)義務、厳格な発行体審査。
- スタンダードチャータード香港やアニモカブランドなどがテスト参加。
この制度により、合法的な人民元ステーブルコインの発行が現実味を帯びてきました。
🌐 グローバルな視点での意義
- 国際決済(SWIFTやCIPSを使わない)手段としての人民元の存在感拡大
- 中国の通貨「国際化」の後押し
- 香港をデジタル金融のハブとして確立
香港議員のダンカン・チウ氏などは、人民元や香港ドルに連動する柔軟で革新的なステーブルコインライセンスの整備を求めています。
🏢 中国企業の参入熱も加速
- **JD.com(京東)**は、FinTech部門でステーブルコイン関連人材を募集中。
- アントグループなど他の中国大手もこの新市場に強い関心を示しています。
こうした動きは、アジアのみならず米国を含む世界中で進むステーブルコイン規制議論とリンクし、中国発ステーブルコインの競争力を高める要因となっています。
📝 まとめ:規制と革新、両面で進む中国の暗号資産戦略
「中国が仮想通貨を禁止した」というニュースは依然として市場に衝撃を与え続けています。しかしその一方で、香港を中心に進む人民元ステーブルコインの登場は、規制下での新たな可能性を示しています。
全面禁止の中国本土 × 革新的な香港──この対照的な動きが、次世代のデジタル人民元経済圏を形作るカギとなるかもしれません。
