まとめ:ビットコイン急落にどう対応したか──暗号資産リキッドファンドの現在地
全体像
今週のビットコイン20%超の急落は、多くの暗号資産ファンドにとって想定以上に速く、単一の引き金より“連鎖的なセンチメント悪化と清算”が主因だった。価格は一部反発したものの、構造的な脆弱性は未解消という見方が支配的。
① 背景:なぜ急落が拡大したのか
- 恐怖指数の急上昇と現物の大量売りが清算を連鎖
- 1月にTradFi(伝統金融)テーマが過密化→巻き戻しが暗号資産へ波及
- 10月10日の大規模清算の“後遺症”が残るとの指摘
Split Capital創業者 Zaheer Ebtikar
「ここまで速い降伏(capitulation)は想定外」
② 表面下では“ローリング・ベア”
- アルトコイン市場は2024年12月以降、実質ベア
- 2026年は“ローリング・ベア(分野ごとに順次弱含み)”が継続
- 貴金属へ回した投資家のマージン対応売りが暗号資産を圧迫
Pantera Capitalの Cosmo Jiang
「最終的に価格はファンダメンタルズに収れんする」
③ 市場の“浄化”という見方
- 構造的にゼロに向かうトークンが淘汰されるのは健全
- 高信念資産も一時的に引きずられるが、優良リキッドファンドには“世代的機会”
④ 成績は戦略で大きく分岐
- 方向性(ロング/ショート):年初来で平均▲2%
- マーケット・ニュートラル:+0.5〜1%
- クオンツ/DeFi:ボラ局面に強く、相対的に良好
Crypto Insights Groupの Andy Martinez
成否は「物語」より設計・リスク管理・執行力
⑤ “アルトシーズン”は見えない
- 広範なアルト高は期待薄
- 今後は収益創出トークンや選別型ラリーのみ
- 2021年型の再来に賭けるのは「無責任」
⑥ 資金の重心が変化
- 目立つテーマ:利回り・クレジット、デリバティブ、裁定
- “ラベル”よりエッジ(調査力・経験)が重要
- AI・半導体・ロボティクスへ関心移動、暗号資産は“第三〜第四の選択肢”に
⑦ 業界再編が加速
- 統合・閉鎖・戦略転換が進行
- ベンチャー×リキッドのハイブリッド化
- マルチコインの Kyle Samani が他分野(AI等)へ関心拡大
データ要点(2025年)
- 方向性戦略:▲11%
- ファンダメンタルL/S:▲31%
- クオンツ方向性:+12%
- マーケット・ニュートラル:+14.6%
- BTC中立:+5.7%/ETH中立:+3.6%
一言で要約
“全面高”の時代は終わり。
勝敗は選別・中立・利回り設計で決まる。
・参考記事











