ビットコインの秘密鍵・公開鍵・アドレスとは?違いと役割をわかりやすく解説
ビットコインの仕組みを調べると、「秘密鍵」「公開鍵」「アドレス」という言葉が出てきます。
簡単にいうと、秘密鍵は送金の署名に使うもの、公開鍵は署名を確認するもの、アドレスは受取先を示すものです。
それぞれは関連していますが、同じものではありません。この記事では、3つの違いと、復元用のシードフレーズとの関係を説明します。
ビットコイン全体の基本は、ビットコインとは?で解説しています。
秘密鍵・公開鍵・アドレスの違い
| 用語 | 主な役割 | 取り扱い |
|---|---|---|
| 秘密鍵 | ビットコインを使うための電子署名を作る | 他人に教えない |
| 公開鍵 | 電子署名が正しいかを確認する | 秘密情報ではないが、通常の受取では直接伝えない |
| アドレス | ビットコインの受取先を示す | 送金してくれる相手に伝える |
| シードフレーズ | 対応するウォレットの鍵を復元するために使う | 他人に教えない |
通常の送受信では、ウォレットが鍵に関する処理を行います。利用者が秘密鍵や公開鍵を直接操作する必要は、通常ありません。
秘密鍵とは?送金の署名を作る重要なデータ
秘密鍵とは、ビットコインを使う権限を証明する電子署名を作るためのデータです。
一般的な自己管理型ウォレットでは、秘密鍵が生成・管理され、その鍵を使って送金に署名します。
ビットコインを受け取るときに、送金相手から秘密鍵をもらうわけではありません。 受取先のアドレスを相手に伝えることで、受け取れます。
秘密鍵が他人に知られるとどうなる?
一般的な単一署名のウォレットでは、対応する秘密鍵を入手した人がビットコインを送れるようになります。
秘密鍵が流出すると、本人の許可なく資産を移されるおそれがあります。銀行口座のように、管理者に連絡して送金を止めてもらう仕組みはありません。
なお、複数の鍵による署名を必要とする「マルチシグ」など、送金条件が異なる仕組みもあります。
公開鍵とは?電子署名を検証するためのデータ
公開鍵は、秘密鍵から数学的に生成されるデータです。
秘密鍵で作った署名が正しいかを、対応する公開鍵で確認できます。これにより、秘密鍵そのものを相手に渡さずに、送金する権限を示せます。
公開鍵から秘密鍵を逆算することは、適切に生成された鍵では、現在知られている通常の計算方法では現実的に困難です。
公開鍵とアドレスは同じ?
同じではありません。
ビットコインアドレスは、公開鍵や送金条件に関する情報を、受取先として扱える文字列で表したものです。作られ方はアドレスの種類によって異なります。
初心者の方は、まず「公開鍵は署名の検証用、アドレスは受取先」と区別すると理解しやすくなります。
ビットコインアドレスとは?受取先を示す文字列
ビットコインアドレスは、ビットコインを受け取るために相手へ伝える文字列です。
ウォレットや取引所の「受取」「入金」などの画面で確認でき、QRコードで表示されることもあります。
アドレスを教えると盗まれる?
アドレスだけを知られても、それだけでビットコインを送る権限が相手に渡るわけではありません。
ただし、ビットコインの取引記録は公開されています。アドレスを公開すると、そのアドレスに関係する入出金や残高を調べられる場合があります。
アドレスは受取に必要な相手へ伝え、むやみに公開しないことが、プライバシーを守るうえで役立ちます。
受取アドレスが変わっても大丈夫?
自己管理型ウォレットには、受取のたびに新しいアドレスを表示するものがあります。同じウォレットで複数のアドレスを管理することは、一般的な仕組みです。
一方、取引所の入金アドレスは、事業者の都合で変更される場合があります。入金するときは、その都度、公式の入金画面で最新のアドレスと対応ネットワークを確認してください。
シードフレーズと秘密鍵の違い
シードフレーズは、ウォレットの復元に使われる単語の並びです。「リカバリーフレーズ」「復元フレーズ」などと呼ばれることもあります。
BIP39という方式では、12語や24語などの単語列からシードを生成し、そこからウォレットの鍵を導きます。
秘密鍵が個々の署名に使われるのに対し、シードフレーズは、対応する方式で生成された複数の鍵を復元するための元になる情報です。
シードフレーズも他人に教えてはいけない
シードフレーズが知られると、第三者にウォレットを復元され、資産を移されるおそれがあります。
「秘密鍵ではなく単語だから大丈夫」というものではありません。秘密鍵と同様に、厳重な管理が必要です。
また、すべてのウォレットが同じ復元方式に対応しているわけではありません。追加のパスフレーズを設定した場合は、それも復元に必要です。
送金のときに秘密鍵を入力する必要はある?
通常の送金では、秘密鍵そのものを入力する必要はありません。
一般的な自己管理型ウォレットでは、次のように操作します。
- 送金先のアドレスと金額を入力する
- 手数料と送金内容を確認する
- ウォレットで送金を承認する
- ウォレットが秘密鍵を使って署名する
- 署名された取引がネットワークへ送信される
このとき入力するパスワードやPINは、ウォレットの操作を保護するものです。秘密鍵そのものとは異なります。
ハードウェアウォレットでは、専用機器の内部で署名し、秘密鍵を外部へ出さずに送金できるよう設計されています。
ウォレットの復元や鍵の取り込みでは、復元情報を扱う場合があります。ただし、これは通常の送金操作とは別です。送金先のサイトやサポート担当者に、秘密鍵やシードフレーズを渡す必要はありません。
取引所に預けている場合、秘密鍵は誰が管理する?
取引所に預けているビットコインの秘密鍵は、通常、その取引所が管理しています。
利用者は、ログインや二段階認証などを通じて、取引所へ売買・出金を指示します。取引所のパスワードは、ビットコインの秘密鍵ではありません。
自己管理型ウォレットでは、自分で鍵や復元情報を管理します。そのため、管理方法と責任の所在が異なります。
| 管理方法 | 通常、秘密鍵を管理する主体 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 取引所に預ける | 取引所 | アカウントの乗っ取り、出金停止、事業者の管理上のリスク |
| 自己管理型ウォレット | 利用者自身 | 秘密鍵・シードフレーズの流出や紛失 |
秘密鍵とシードフレーズを守るための注意点
- 他人に送ったり、SNSへ投稿したりしない
- 知らないサイトや問い合わせフォームへ入力しない
- スクリーンショットやクラウドへの平文保存を避ける
- バックアップを、他人に見られず災害にも備えられる場所で管理する
- ウォレットの導入・復元は、公式の案内を確認して行う
- 送金を承認する前に、宛先と金額を確認する
「資産を受け取るため」「本人確認のため」「不具合を直すため」と言われても、相手に秘密鍵やシードフレーズを渡さないでください。
よくある質問
ビットコインを受け取るために秘密鍵は必要ですか?
相手に秘密鍵を伝える必要はありません。ウォレットや取引所が表示する受取アドレスを伝えます。
ウォレットアプリを削除すると、ビットコインも消えますか?
アプリを削除しても、ブロックチェーン上の記録が消えるわけではありません。
ただし、鍵や必要な復元情報を失うと、自己管理しているビットコインを使えなくなるおそれがあります。アプリを削除する前に、バックアップと復元方法を確認してください。
アプリのパスワードを忘れたら、復元できますか?
ウォレットの方式と、残っている復元情報によります。シードフレーズなどから復元できる場合もありますが、必要な情報をすべて失うと復元は困難です。
秘密鍵をサポートへ送っても大丈夫ですか?
送ってはいけません。サポートを名乗る相手であっても、秘密鍵やシードフレーズを共有しないでください。
まとめ
ビットコインの秘密鍵・公開鍵・アドレスは、次のように役割が異なります。
- 秘密鍵: 送金に必要な電子署名を作る
- 公開鍵: 電子署名を検証する
- アドレス: ビットコインの受取先を示す
- シードフレーズ: 対応するウォレットの鍵を復元するために使う
受け取る相手に伝えるのはアドレスです。秘密鍵やシードフレーズを渡す必要はありません。
仕組みの全体像は、ビットコインとは?もあわせてご覧ください。

