今回取り上げるのは米国での動きです。日本の制度がそのまま変わるわけではありませんが、将来の暗号技術の見直しは世界共通の課題であり、先行事例として知っておく価値があります。
米トランプ政権は10月8日の科学イベントで、エネルギー省(DOE)による量子コンピューター開発コンペ向けに、約2億1,500万ドルの計画を発表しました。耐障害性を備え、論理量子ビットが100個以上の機械を目指すもので、配分の一部は議会の予算次第とされています。crypto.newsは、この計画自体は科学振興策であり、暗号資産の安全対策として打ち出されたものではないと整理しています。
一方で、欧州では当局から、将来の量子コンピューターが公開鍵から秘密鍵を割り出す恐れがあるとの警告が出ています。ただし時期は不透明で、現行の機械にはそれができないとされます。AIがウォレット鍵を破る恐れを取り上げた先日の記事とあわせて、議論が広がっています。
米政府の量子計画と、欧州当局の警告
計画の中心は、DOEの量子コンペです。同じイベントでは、民間企業による総額24億ドルのAI関連の拠出表明もありましたが、これは連邦予算ではなく企業側の約束とされています。暗号資産との関係では、CryptoQuantのキ・ヨンジュ氏が、公開鍵が露出しているビットコインは約689万BTCに上る可能性があると試算しつつ、それが直ちに盗めることを意味しないと注記しています。
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AIの数学成果は暗号を脅かすのか──専門家の見方
OpenAIが数百件の数学的成果を公開したことを受け、イーサリアム財団のJustin Drake氏は、AIがビットコインやイーサリアムの署名方式(ECDSA)を破る手法を見つけ得ると懸念し、備えを促しました。これに対しGalaxyの調査レポートは、近い将来の脅威は実証された事実というより推測の域を出ないと評価しています。公開された成果は、形式検証ツールによる確認にとどまり、数学者による外部検証はまだ済んでいない点も指摘されています。
Coinbaseの暗号研究者からは、ECDSAが破られる証拠はないとの反論も出ています。過度に恐れる必要はないものの、同レポートは、新しいアドレスへ資金を移すといった予防策は理にかなうとしており、耐量子・耐AIの暗号研究が加速するきっかけになるとの見方も示しています。
詳細はこちら: www.galaxy.com



