今回取り上げるのは米国での動きです。日本の制度がそのまま変わるわけではありませんが、手口は国境を越えて広がるため、先行事例として知っておく価値があります。
米国では暗号資産をめぐる詐欺被害への対応が、証券当局・州司法長官・州議会のそれぞれで同時に進んでいます。
SEC、WhatsAppを使った「AIトレード」詐欺を提訴
米証券取引委員会(SEC)は9月29日、ニューヨーク南部連邦地裁に2件の訴状を提出したと発表しました。被害は少なくとも約1,530万ドル、数百人規模の個人投資家に及ぶとされています。運営者は海外にいるとみられる身元不明の人物です。
手口は、WhatsAppのグループで「AIが高精度の売買シグナルを出す」「ボットを借りれば毎日収益が出る」などと誘い、偽の取引サイトに入金させるもの。実在する金融関係者になりすます例や、出金のたびに手数料や税金名目の追加入金を求める例が報告されています。
会社の体裁を整えるため、米国で急ごしらえの法人を設立し、届出書類まで用意していた点も特徴です。SECは投資を勧められたら、相手が登録業者かどうかをInvestor.govで確認するよう呼びかけています。
詳細はこちら: www.jdsupra.com
カリフォルニア州司法長官が注意喚起、「暗号資産ATMは使うな」
カリフォルニア州のボンタ司法長官は、FBIの報告を引用し、2025年に米国のネット詐欺被害209億ドルのうち、暗号資産関連が114億ドルを占めたと説明しました。
高利回りをうたう偽の運用サイト、「資金を取り戻せる」と持ちかける回復詐欺、有名人を使った勧誘などの典型例を挙げ、「送金前に9秒立ち止まる」ことや、公式サイトに直接アクセスして確認することを推奨しています。暗号資産ATMについては、使わないよう明確に呼びかけています。
詳細はこちら: oag.ca.gov
ノースカロライナ州、暗号資産ATMに新法
地元局WRALによると、同州では警察官を名乗る相手に指示され、ガソリンスタンドの暗号資産ATMに入金して貯蓄を失った女性の例が報じられました。FBIへの苦情は2025年に1万3,460件、損失は3億8,900万ドルに上るとされています。
2027年に施行予定の新法では、運営事業者のライセンス取得、取引ごとの詐欺警告、新規利用者の1日2,000ドルの上限、手数料12%の上限などが定められました。州司法長官は調査を進めていると述べています。業界団体は、規制が過剰だと反発しています。
同種の動きは過去記事でも紹介しています。米Coinme、34州の規制当局と和解も合わせてどうぞ。
詳細はこちら: www.wral.com









